01 | 首は、いつから休めなくなったのか — 何もしていないのに、疲れている感覚について
01 | 首は、いつから休めなくなったのか
— 何もしていないのに、疲れている感覚について
この記事でわかること
首は、痛くなる前から
ずっと働いていることがあります。
その状態が、
いつから始まったのかを
静かに辿ります。
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現場でよくあるのですが、
「特に痛いわけではないんですが..」という前置きのあとに
「最近、首周りがなんだか疲れやすくて..」と続く言葉です。

これは、まさに”首”という部位が担っている役割を象徴的に表している言葉です。
というのも、科学的に見ると、
首は動いていないときでも支え続けているからです。
少し詳しく説明を加えると、
首の筋は「動かす筋」ではなく「支え続ける筋」であり、生理的な事実として、首周囲(とくに深層筋群)は姿勢と感覚を安定させるために、常に低出力で活動をします。
これを専門的にはトニック(持続性)筋活動といいます。
では何が起こっているかというと、その活動は極端な話、スクワットで使われるような大きな負荷ではありません。ですが、”休止”がほとんどなく。血流が断続的に制限されやすい状態になっています。
その結果、乳酸が溜まるほどではありませんが、エネルギー代謝は常に回り続けています。一言でいえば、痛くはないけど、消耗するという表現もできるかと思います。

また、首はセンサーの中継基地でもあるので、首周り(特に上位頸椎)には「自分はいま、どこを向いているのか?」「体がどういう位置にあるのか?」を判断するための感覚ハブになっています。
動いていないように見えて、神経的にはずっと活動をしている部位なのです。
神経生理学という観点から見てみても、首の筋活動は覚醒系や交感神経優位状態と強く連動しています。
簡単にいうと、注意が外に向く、反応し続ける、緊張状態が続く。イコール、首は「起きた(起こされた)状態」を物理的に支える役割を担わされます。
だからリラックスしているつもりでも首だけは仕事中となってしまい、休んでいるのに回復しないという具合になっています。
さて、話を冒頭に「特に痛くはないんですが…」に戻すと、実は痛みが出る前に「中枢疲労」というものが出てくることがあります。
これは、筋そのものは限界ではないけれど、神経系が”これ以上の出力を出したくない”状態です。特徴としては、だるさ、重さ、集中力の低下、判断が遅くなる、痛みは..ない..
まとめると、持続活動がおこって覚醒しっぱなしになり、感覚神経が過敏になり過ぎた結果機能しにくくなるということです。
簡潔にいうと、痛みという警告が出る前に、「疲労」という形でブレーキがかかる—
そう考えると、この方は今の自分の状態を正確に把握できていると思います。
首はいつの間にかずっと起きたままになっている。
その状態はいつから始まったのでしょうか。
次回に続きます。
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01 | 首は、いつから休めなくなったのか
何もしていないのに、疲れている感覚について
02 | 「効いている感じ」が強すぎるときに起きていること
刺激を求めてしまう身体の話
03 | 道具を使わなくなる瞬間について
それでも、手元にある意味
04 | 首が静かになると、判断が変わる
身体の状態と、思考の距離
05 | また日常に戻るための、ひと休み
休みっぱなしにしないという考え方
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執筆:早田 航(Tri-Aid 日本正規代理店)
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